樋口恵子さんが書かれた「老~い、どん!」という本を読みました。
87歳の彼女は人生100年社会の初代として
気が付いたことを指摘し、若い世代に社会全体に
問題定義していく責任があると言われて、
この本を書かれたようです。
84歳の建て替え引っ越し大冒険
建て替えの動機は耐震性でした。阪神、淡路大震災以前の住宅は我が家ぐらいになっていた。
老~い、どん!より引用
我が家が崩れてかぶさって、子どもさんを傷つけた、なんてことになったら、まさに私の晩節を汚すものです。
本に書かれているように引っ越しは命がけだと言う事です。短い間に2回本格的な引っ越しをするということ、それは体力的にも、金銭的にも大変なことだと私も感じています。
そして、物をかたずける事、「捨てる」「保存」に仕分けし、物別れの悲しみをいやというほど味わうのはとても耐えられなかったでしょう。
おひとり高齢者の食生活
女の人生には「調理定年」があるのではないか、と思い始めました。
老~い、どん!より引用
食事作りが何とも億劫に、面倒になってくるのです。この定年は80歳前後が多いようです。高齢者の健康はクスリより食生活で、といわれます。
一人暮らしが激増する時代、子ども食堂だけでなくシニア食堂ができたらいいな。
男女を問わず茶飲み友達ならぬ「ご飯友だち」の輪を広げることは、心身の健康を増進させると思います。
まさしく私も同感です。一人になった時きっと何もやりたくない。そんな時こういう助けがあると嬉しいですね。
しかし、出かけるだけでも運動になる。買い物をして、自分で作ることも頭を使う事になる。
買い物の効用の第一は、外へ出て人に出会い、挨拶をし、お話ができると言う事だと言われています。これも一種の社会参加ですね。
老いて歩けば
運動神経の衰えは方は女性の方が顕著で、転倒、骨折による運動器のケガも女性の方がはるかに多い。
老~い、どん!より引用
街角に椅子を、ベンチを高齢者も出歩きやすい街づくりをねがっています。
そして、もう一つ、駅、公共施設、商店街はじめ街角に高齢者に使いやすい清潔で安全なトイレの整備も願っています。
よいしょと掛け声をかけなくては動きだせないこの頃の私はすぐに座ることを考えてしまいます。歩き出しもぎこちない自分に情けなく思ってしまいます。
これからは特にトイレは絶対に必要なものです。本当にこういう街づくりを願っています。
そして、足腰を鍛えなくてはいけないといつも自分に言い聞かせています。
「人生100年丸」に乗って
90歳存命同士の夫婦も少なくありません。ですから、かつては想像もつかなかった夫婦の風景が見られます。
老~い、どん!より引用
相手の変化に敏感で、かつ困惑しているのは、多くは妻側です。
そしてさらに老々介護、認認介護、遠距離介護、シングル介護、男性介護、多重介護、ダブル介護、、、大介護時代の到来です。
介護する人が幸せでなかったら、介護される人も幸せになれるはずはありません。
介護される自分を想像できますか?と本の中で問われていますが、今はまだ想像できません。
「ケアされ上手」になって「ありがとう」と感謝の言葉が言えるお年寄りになりたいです。
大介護時代をどう生きる?
高齢者のいる所には、高速化は通用しません。心身の衰えとともに動作は日々低速化し、何をするにも時間がかかるのです。世の中の高速化と逆行して、年と共に体の動きは低速化、かつ誤作動が増えます。
老~い、どん!より引用
認知症になった時は隠さないで友人や隣人に事実を告げて公的な支援をできるだけ受けて欲しい。家族が認知症をかくす「かくれ介護者」が増えては、世の中暗くなるばかりです。
認知症などの介護は家族だけで抱え込まず、公的な施設を利用したり、お友達、ご近所さんの手助けをお願いすることも必要ですね。
老いての自立と支え合い
今目の前にある命への全き肯定、その命への祝福と感謝。高齢者もできる範囲で自立度を高め、我が身を守る準備、周りの人の心配や負担を多少とも軽くする努力をしようではないか。
老~い、どん!より引用
老いて自立は幸いなり。
人に頼ることなく、老いても自立は絶対条件ですね。
頼るのではなく支え合いがあれば、寂しさも半減するでしょう。
支えてもらうと言う事は、支えてあげる事にもつながるのでお互いの絆が深まることにもなりますね。
私がこの本を読んで身に詰まされたことは
私がこの本を読んで今からの時代、心がけようと思う言葉は
楽しげに生きる
あちこち痛くて何をするにも億劫になるもの。
楽しく生きるのは無理でも、
「楽しげ」に過ごすことを心がけて。